【課題】既設の和風便器を洋風便器に交換する場合において、床の強度が損なわず、交換作業が簡単で工期が短くコストが廉い工法を提供する。
【解決手段】和風便器12の上部を既存床の仕上げ面下部迄除去し、且つ該和風便器12の左右の床も同じレベル迄除去し、床スラブを除去しない。次いで該和風便器の排水口に該和風便器排水管を連通し床上迄立ち上げ、次いで、既存床仕上げ面を除去した床に数枚の分割プレート2で該和風便器をまたぐように渡して該和風便器の左右の床に接着材で固定し、そして、該和風便器内に発泡ウレタン3を隙間なく充填して該和風便器と該排水管と該分割プレート2を固着させる。次いで洋便器固定用のボルトの為、自硬性充填物を分割プレート2の隙間に充填し、充填物が硬化後、該和風便器周辺と充填物と分割プレート2の上に新規仕上げ面を施工し且つ洋風便器9を取り付け設置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、和風便器が設置されているトイレ室を洋風便器が設置されたトイレ室にする為の和洋交換分割プレート方法。詳しくはコンクリート床又はデッキプレート床からなる床スラブ上に取り付いている和風便器に採用される和洋便器交換分割プレート方法。
【背景技術】
【0002】
ビル等のトイレ室の和風便器はコンクリート製床スラブやデッキ製床スラブに和風便器設置用の開口穴が設けられ、この開口穴に上から嵌め込むようにして該和風便器が設置されている。そして該和風便器の排水口に排水管が接続され階下の天井を引き回されて建物の排水縦管に接続されている。
【0003】
トイレ室の和風便器から洋風便器に交換する場合、該和風便器を全て除去し、排水管を既存床仕上げ面上まで立ち上げ、該和風便器の開口穴に補強筋を配筋してコンクリートを充填し床スラブを新たに形成し、その上に該洋風便器を設置する方法が行われている。しかし、該和風便器の解体撤去のガラ処分や階下の天井内の粉塵処理に手間がかかり又階下からの工事が必要となり工期とコストが嵩んでいる。
【0004】
階上のみの和洋便器交換が可能な工法として、特許第3183295号公報には、トイレ室の床に設置された和風便器の上部を除去し、該和風便器の排水口に連通して排水パイプを立ち上げ、該和風便器内を補強筋で配筋し自硬性充填物で埋め、その上に該洋風便器を設置する工法が記載されている。
【0005】
又、同号公報の図5〜図9にはトイレ室の床スラブと該和風便器の上部縁を除去し、該和風便器の排水口に連通して排水パイプを立ち上げ、該和風便器内の床下地部にプレートを載せ、自硬性充填物で埋めその上に洋風便器を設置する工法が記載されている。
【0006】
階上のみの和洋便器交換が可能な方法として、特許公開2007−205028号には、トイレ室の床に設置された和風便器の上部を除去し、該和風便器の排水口に連通して排水パイプを立ち上げ、該和風便器内の上部に発泡スチロール板を蓋材として嵌め込み、該和風便器の落下及び飛散防止の為飛散防止シート又は八方樹脂製のビーズを貼り付る工法が記載されている。
【特許文献1】特許第3183295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許第3183295号公報の和風便器に自硬性充填物で埋める工法は、充填物の硬化に伴い収縮又は膨張で該和風便器に割れが発生し、便鉢内部の充填物による重量増加又は洋風便器に掛かる荷重を充分に支えられず抜け落ちる危険がある。又トイレ室の床スラブの開口面積が規定の寸法より大き過ぎて設置されている場合、該和風便器の床スラブの支え面積が小さい為荷重耐力が減少し、荷重を充分に支えられず抜け落ちる危険があり本工法は適さないと思われる。
【0008】
又、同号公報のうち、図5から9には、床スラブを深く除去し便鉢内部にプレートを載せるようにした工法が記載されている。この工法にあっては、床スラブを深く除去する為、該和風便器の支えの床スラブの荷重耐力が減少し床スラブの脱落かひび割れ又は該和風便器のひび割れ落下の危険がある。また、1枚および2枚以上のプレートで床上荷重を支える工法が記載されている。この工法にあっては、洋便器の接続排水管の立ち上げ位置や洋便器のアンカー位置を現場毎の違う寸法に合わせての加工の必要がある。又プレートは持ち運びが容易な重量でない為手間が掛かる。そして該和風便器の便鉢内の排水管は扁平円型の特殊な形状の排水管を使用している為コスト高になっている。
【0009】
上記特許公開2007−205028の和風便器には、床スラブを上面より深いレベルまで除去する工法が記載されている。この工法は上記と同じで、床スラブを深く除去する為、該和風便器の支えの床スラブの荷重耐力が減少し床スラブの脱落かひび割れ又は該和風便器のひび割れ落下の危険がある。
【0010】
本発明は和風便器の上部を除去して、その上に洋風便器を設置する和洋便器交換分割プレート工法を提供する。既存床スラブの強度を和洋便器交換前の状態を保持し且つ和風便器残体の破損や抜け落ちが防止され、且つ作業が簡単で工期が短く材料コストが低い和洋便器交換の方法を提供する。
【課題を解決する為の手段】
【0011】
本発明(請求項1)のトイレの和洋便器交換方法において、建築物のコンクリート又はデッキプレート床の上にトイレ室が設置されているトイレの和風便器で、該和風便器の上部を除去してその上に洋風便器を設置する和洋便器交換方法において、該和風便器の上部前立部または周囲上縁部を既存床仕上げ部レベル又は既存仕上げタイル部レベル迄を除去する。次に該和風便器の左右の床も、またぎ巾の約2倍以上の長さで、且つタイル目地に沿って既存床仕上げ部レベル又は仕上げタイルレベル迄除去する。次いで該和風便器の排水口に排水管を連通し床上迄立ち上げ、次いで、該和風便器内に発泡ウレタンで該和風便器と該和風便器内排水管を一体接着させる。次いで、仕上げ部を除去した床に数枚の分割プレートで、該和風便器をまたぐように渡して該和風便器の左右の床に接着材で固定し、次いで、分割プレートの隙間に自硬性充填物又はパテを充填し、硬化した充填物の表面の上にパテで平滑にし、新規仕上げ面を仕上げし該洋風便器を設置することを特徴とする和洋便器交換分割プレート方法である。
【0012】
請求項2のトイレの和洋便器交換方法において、既存床仕上げ部または仕上げタイルを除去した床に、和風便器の左右またぎ巾の2倍以上の長さで数枚の該分割プレートで該和風便器を跨ぐように渡して該和風便器の左右の床に接着材で固定する和洋便器交換分割プレート方法である。
【0013】
請求項3のトイレの和洋便器交換方法において、分割プレートのステンレス板の厚みは、既存床仕上げ部または仕上げタイルの厚み以下で、且つ洋便器や便器使用者の床上荷重に耐える高強度で且つ腐食に強い材質の数枚のステンレス板であることを特徴とする和洋便器交換分割プレート方法である。
【0014】
請求項4のトイレの和洋便器交換方法において、発泡ウレタンは和風便器と該和風便器内排水管と分割プレート下部の空間に隙間なく充填し該和風便器と該和風便器内排水管と該分割プレート下部を接着一体化し、該和風便器の落下や抜け落ちを防止する和洋便器交換分割プレート方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の和洋便器交換分割プレート工法は和風便器の上部及び上縁部を既存スラブ面のレベル迄除去し又既存床仕上げ面又は仕上げタイル面を除去、その床スラブ上に数枚の分割プレートで該和風便器をまたぐように渡し床スラブに固定する。この該分割プレートで洋風便器や便器使用者などの床上荷重を受けることになり、該和風便器に掛かる重量の影響は皆無である。又該分割プレートと該排水管と該和風便器内部の隙間に発泡ウレタンを充填するが、発泡ウレタン充填物では微小な荷重増加であり和洋便器交換前とほぼ同重量である。床スラブへの重量負担の影響を受けずに和洋便器交換出来る。
【0016】
本発明では発泡ウレタンで和風便器の内部や排水管や分割プレートの隅々まで隙間なく充填接着し、該和風便器と排水管と該分割プレートを一体接着し、既存床スラブに保持されることになり、和風便器残体の保持強度が和洋便器交換前より高くなる。
【0017】
本発明の和洋交換分割プレート工法は分割プレートの取り付けの時、既存の床仕上げ面のみ除去し、床スラブは除去しない。すなわち、床の既存仕上げ面又は床タイル面迄を除去し、且つ該和風便器の左右のまたぎ床部分も既存仕上げ面又は床タイル面迄を除去する。つまり、床スラブ部分は現状のままで除去しない為、床スラブの強度は和洋便器交換前の状態を維持できる。
【0018】
請求項3の分割プレートは、材質ステンレス板で作業が容易な大きさで数枚に分割する。ステンレス板の長さは和風便器の左右またぎ巾の2倍以上の長さであり、且つ床タイル目地と目地の間の長さで、又ステンレス板の厚みは、上に設置する洋風便器と便器使用者の重量に耐え、且つ該既存床仕上げ部または仕上げタイルの厚み以下とする。該分割プレートは軽量で取り扱いが容易で、施工作業が簡単に出来る。
【0019】
請求項4において、分割プレートの取り付け位置は和風便器をまたぎ左右の床スラブの上に洋風便器固定用のボルト位置と排水管位置を調節し位置を決めて接着材固定する。分割プレートは自在に位置を決定出来る為、該洋便器の排水管の位置合わせを容易にし、該洋風便器固定用のボルトの固定を現場状況に応じ容易に位置決定でき、施工作業が簡単で工期を短縮できコストが低減出来る。
【0020】
請求項5において、発泡ウレタンを分割プレート板と既充填の発泡ウレタンの間に隙間なく再充填して、既充填の発泡ウレタンと該分割プレート板とを接着固定しその後該分割プレート板を既存床スラブに接着材で固定する。該分割プレート板と該分割プレート板の間に洋便器固定用のボルト空間を設け自硬製モルタルを充填する。硬化下後、表面の上にパテで平滑にし、新規仕上げ面を仕上げし洋風便器固定用のボルトを打設し該洋風便器を設置する。該洋風便器固定用のボルト固定を施工作業が簡単で確実な位置に実行出来る。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は和洋便器交換分割プレート工法の和風便器12と洋風便器9の交換後の横断面図の状態を表した図である。図17は和洋便器交換分割プレート工法の和風便器と洋風便器の交換後の縦断面の状態を表わした図である。
【0023】
図1から図9は実施形態に係わる和洋便器交換方法の交換手順を示す。図10は和風便器の残体22位置と洋便器接続用排水管15と分割プレート2を設置した時の平面図を示す。図11は洋便器接続用排水管15と自硬性充填物を該分割プレート2との隙間に充填した平面図を示す。図12は表層仕上げ面を仕上げし該洋風便器設置の状態を示す平面図である。
【0024】
図1図13に示すように、トイレ室の床スラブ1に和風便器用開口が設けられ、この開口に上方から嵌め込むようにして陶器製の和風便器が取りついている。該床スラブ11はコンクリート床やデッキ床の上にシンダーコンクリートとモルタルと床仕上げ面とから形成されている。この該床仕上げ面の上面に該和風便器が乗って取り付いている。
【0025】
図2に示す通り、和風便器12の便鉢の該和風便器の上縁部20が全周にわたって開口の週縁部に係合しており、両者の接合面同士はモルタルや防水材や接着材で固着されている。該和風便器の排水管7が接続されている。
【0026】
以下に和風便器トイレを洋風便器トイレに交換するための交換方法について説明する。
【0027】
まず、図2から図3のように、ダイヤモンドカッターを用いて、和風便器の前立部19及び該和風便器の上縁部周辺20を床スラブライン1下部まで除去する。そしてトイレ室の床がタイルの場合該和風便器の左右またぎ部分のタイル目地ラインを基準として床スラブ1下部まで除去する。
【0028】
図3のように、ダイヤモンドカッターを用いて、便鉢内部の便器内トラップ14を和風便器の既存排水管7接続口の内部が上から露見出来且つ排水管が通過出来るように該和風便器陶器内床の一部21を除去また便器内トラップの溜水を除去しておく。
【0029】
又分割プレートが取り付けられる位置は、床仕上げ面を床スラブ1まで切除する。この除去により該和風便器の床仕上げ面の周囲は凹部を形成する。この凹部分の深さは床仕上げタイル厚みとする。
【0030】
このように床仕上げがタイル張りで施されている場合には、このタイル目地に合わせて和風便器12の周囲を除去することにより、施工がしやすく仕上げ後の見栄をよくすることが出来る。
【0031】
次に、図4のように洋風便器9の排水管8の下端部を和風便器排水口の内側に差込接続する。該排水管は排水管外周を不燃性ガスケット13とエマルジョン接着材5のダブル装着で密着し接続する。又該洋風便器9はリフォーム用洋風便器9を使用する。リフォーム用洋風便器9は該洋便器内部9で排水接続位置15を調整できる。従って該洋風便器の排水管8の上端部の位置はリフォーム用洋風便器9を使用する為該和風便器内の前方の適当な位置に立ち上げておく。
【0032】
図4に示す通り、排水管8の上端部は床仕上げ面15より50mm以上位高さまで延在する。
【0033】
次に、図5のように、発泡ウレタン3を排水管8と和風便器内部壁面に隙間のないように充填する。該和風便器内トラップ14の下側も充填する。
【0034】
そして、図6のように、数枚の分割プレート2を床スラブの上に和風便器を跨ぐように渡して該和風便器の左右の床に接着材で固着し、次いで、該分割プレート2の下側の隙間に発泡ウレタンを充填し排水管8と分割プレート2と既充填の発泡ウレタン3と固着させる。
【0035】
分割プレートについては、材質ステンレス鋼板を使用し厚みは6mmから9mmで短辺は50mmから100mmで長辺は和風便器のまたぎ巾の2倍以上で、且つ床タイルと床タイルの距離長さで形状を長方形とする。
【0036】
次に、図6から図7のように分割プレート2と分割プレート2の間に洋風便器アンカー打設の為の隙間間隔を設け、該洋風便器固定用のボルトの深さまでカッターナイフで発泡ウレタン切除し、自硬性充填物モルタルで充填する。この時床仕上げ面1の高さを考慮して充填する。
【0037】
そして、図8のように、床仕上げ面は自硬性充填物モルタルが乾燥した後、表面の上にパテで平滑にし、上に新規の床仕上げ面20を取り付け、図9のように新規の洋風便器9を取り付ける。
【実施形態の効果】
【0038】
本発明は、床がコンクリートやデッキプレートの上にトイレ室が設置されているトイレの和風便器で、該和風便器を除去してその上に洋風便器を設置する和洋便器を交換する場合、該和風便器の上部を床の仕上げ面迄除去し、且つ該和風便器の左右の床も同じレベル迄除去し、床スラブを除去しない為、床スラブの強度をそのまま維持できる。そして工期と手間を短縮できる交換方法である。
【0039】
また、分割プレート板は上の洋風便器の重量と使用する人間の重量を支えればいい。そのため該分割プレート板は高強度で腐食しない材料と板厚を選ぶ。該埋設プレート板は数枚に分割し使用するので、1枚の重量が軽く施工取扱いが容易である。また該洋風便器固定用のボルト位置を容易に決められる。
【0040】
床がコンクリートやデッキプレートの上にトイレ室が設置されているトイレの和風便器では、床スラブの開口面積が大きすぎ抜け落ちの危険が考えられる場合がある。和洋便器分割プレート工法では該和風便器の重量を増すことなく発泡ウレタンを使用して、該和風便器の陶器内部と該排水管と分割プレートで発泡ウレタンを隙間なく接着する。この固着により該和風便器の抜け落ちの危険は軽減し抜け落ちを防止する。
【図面の簡単な説明】
【00041】
【図1】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレ室の施工構造の断面図である。
【図2】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレの交換手順の説明図である。
【図3】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレの交換手順の説明図である。
【図4】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレの交換手順の説明図である。
【図5】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレの交換手順の説明図である。
【図6】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレの交換手順の説明図である。
【図7】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレの交換手順の説明図である。
【図8】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレの交換手順の説明図である。
【図9】トイレ室トイレの和洋便器分割プレート工法の交換後の断面図である
【図10】実施の形態に係る埋設プレートの設置形態に係る埋設プレートの取り付け平面図である
【図11】実施の形態に係る埋設プレートの設置形態に係るトイレ室の平面図である。
【図12】洋風便器設置後の平面図である。
【図13】デッキプレート床の開口穴と和風便器支持部分形態を示す断面図。
【図14】分割プレートの斜視図。
【図15】特許第3183295号公報の便鉢内部にプレートを装着した断面図。
【図16】特許第3183295号公報のプレートの斜視図。
【図17】実施の形態に係るトイレの和洋便器分割プレート工法のトイレ室の施工構造の縦面図。
【符号の説明】
【0042】
1 既存床の仕上げ面
2 分割プレート
3 発泡ウレタン
4 既存の防水層
5 排水管接続材(アクリルエマルジョン接着剤)
6 自硬性モルタル
7 既存の排水管
8 排水管
9 洋風便器
10既存デッキプレート床およびコンクリートスラブ
11既存シンダーコンクリートモルタル
12既存の和風便器
13不乾性ガスケット
14既存の和風便器トラップ残体
15排水管の洋風便器接続部
16洋風便器のアンカーの前と後4箇所
17洋風便器のアンカー用のプレートの隙間空間
18既存和風便器の前立部
19既存和風便器の周囲上縁部
20新規床仕上げ面
21トイレの囲い壁とドア
22既存和風便器の残体位置
23和風便器の開口穴と位置関係詳細
24特許第3183295号公報プレート板2種類
25自硬モルタルの埋め込み跡
A特許第3183295号公報に記載のプレート
B特許第3183295号公報に記載の洋便器固定用の後方ボルト
C特許第3183295号公報に記載の洋便器固定用の前方ボルト
D特許第3183295号公報に記載の床スラブ
E特許第3183295号公報に記載の床スラブの除去部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存建築物の床がコンクリート又はデッキプレートの上にトイレ室が設置されているトイレの和風便器で、該和風便器を除去してその上に洋風便器を設置する、和洋便器を交換する場合の交換方法において、該和風便器の上部と周囲上縁部を既存床仕上げ面下部迄除去し、且つ該和風便器の跨ぎ部分の左右の既存床仕上げ面も同レベル迄除去する。次いで該和風便器の排水口内側に排水管を連通し床上迄立ち上げ、次いで、該和風便器内に発泡ウレタンで該和風便器と該排水管を充填し接着させ、次いで、既存仕上げ面を除去した床に数枚の分割プレートで該和風便器を跨ぐように渡して、そして新規洋風便器固定用のボルト位置に隙間を設け、該和風便器のまたぎ部分の左右の床に接着材で固定し、そこに自硬性充填物を充填する。そして硬化した充填物の表面を上にパテで平滑にし、新規仕上げ面を施工し該洋風便器を設置することを特徴とする和洋便器交換分割プレート方法。
【請求項2】
請求項1において、和風便器の上部前立部または周囲上縁部を既存床仕上げ部レベル又は既存仕上げタイルを同レベル迄除去し、既存床スラブコンクリートの上に数枚の分割プレートで該和風便器を跨ぐように渡して該和風便器の跨ぎ部分の左右の床上に接着材で固定する。この該分割プレートの材質は高強度で腐食に強いステンレス鋼等とし、洋風便器や便器使用者の重量など床上荷重を該分割プレートと該既存スラブコンクリートで支える。従って該既存床スラブコンクリートの状態は本工法では和洋便器交換工事前の状態で保持される。該既存スラブコンクリートの荷重強度は和洋便器交換後も和洋便器交換前と同じ状態を保てることを特徴とする和洋便器交換分割プレート方法。
【請求項3】
請求項2において、分割プレートは高強度で腐食に強い数枚のステンレス板を使用する為、洋風便器のアンカー固定を現場状況に応じ容易に位置決定でき、また該分割プレートは小型で軽量な為取り扱いが容易で、施工作業が簡単に出来ることを特徴とする和洋便器交換分割プレート方法。
【請求項4】
請求項3において、分割プレートのステンレス板数枚を設置する場合、洋風便器の前後4箇所のボルト位置部分に該分割プレートのステンレス板で邪魔しないように位置決定出来る。そしてこの部分に自硬性モルタルを充分な深さまで埋め込み充填し、硬化後該洋風便器のアンカーを打設する。該洋風便器固定用のボルト施工を容易に出来ることを特徴とする和洋便器交換分割プレート方法。
【請求項5】
請求項1において、発泡ウレタンを和風便器と排水管と分割プレートに隙間なく充填し、該和風便器と該排水管と該分割プレートを固着し、該洋風便器や便器使用者の重量などの床上荷重を支えて該和風便器の抜け落ち防止することを特徴とする和洋便器交換分割プレート方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−275498(P2009−275498A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154634(P2008−154634)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(508175798)
アイテイ産業株式会社 (1)【Fターム(参考)】